第一志望の高校受験が3日後に迫る中のウィークエンド。
最近はわしにしては珍しく、可能な限り車で迎えに行っている。
帰ってきたムスメは、いつも通りゲラゲラ笑いながら、中学校生活の集大成とも言える日常を披露してくれる。いつも通り自分もゲラゲラ笑い、ゆっくり車を走らせる。ラジオのオンガクをBGMに何気ないお喋りをするのが、目下のところ癒やし時間になってきた。
こういう時間を持ったのは初めてかもしれないなあ・・・
そんなことを考えながら、車を自宅の駐車場に駐め、エンジンを切ったところで、ムスメはこちらを見つめ、しみじみとこう切り出した。
「遂にお迎えはあと1回になりました。よろしくお願いします」
こっちの顔をじいっと見つめられて、年甲斐も無く狼狽える。
「アッハイ」
まあ、なんだ。
改めて言われて、ついはぐらかしてしまったよ。